育休のお金の情報は、「いくらもらえるか」に集まりがちです。
でも、実際に取った人への聞き取りでいちばん強く出たのは、額の話ではありませんでした。
「支払いのタイミングと額、入金のタイミングと額が全部明快にわかったら、生活の設計がしやすかった」
この記事は、その1枚を作るためにあります。
初回の入金は、なぜ遅いのか
厚生労働省のQ&Aを並べると、時間の構造が見えてきます。
- 支給申請は、原則として事業主を経由する
- 初回の申請期限は「育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで」
- 振込は、支給決定日からおおむね1週間程度
振込そのものは決定から1週間。ところが、その手前の申請が数か月後でも、制度としては期限内なのです。会社の手続きの進み方によっては、休業開始から初回入金まで数か月あく——それが普通に起こります。体験談でも、初回の入金は記憶では育休が明けたころでした。
- 1
最後の給与が入る
末締め翌月払いなら、休業開始の翌月が最後の入金。ここから空白が始まります。
- 2
住民税の納付書が届く(ことがある)
止まらない支払い
天引きできなくなったぶんの納め方は、会社と市区町村の運用しだい。まとまった額になることがあります。
- 3
会社が給付金を申請する
初回期限は開始から4か月経過月の末日
事業主経由が原則。いつ申請する予定かは、会社に聞けば分かります。
- 4
初回の給付金が入る
支給決定から概ね1週間
以後は支給単位期間ごとに続いていきます。
日付は、あなたの給与の締め日・支払日と、会社の申請のタイミングで変わります。自分の日付を書き込んで使ってください。
出ていくものと、入ってくるものを並べる
育児休業給付金
入ってくる(ただし初回は遅い)
賃金日額×67%(181日目から50%)・非課税
社会保険料
出ていかない(免除)
健康保険・厚生年金とも。年金額は納めた期間扱い
住民税
出ていく
前年所得への課税。納付書での支払いになることがある
生活費・子どもの費用
出ていく
出産の前後は、出費が増える時期でもある
このクラスタの各記事で根拠を確認した項目だけを載せています。金額は人によって違うので、枠だけ渡します。
用意する数字は、3つだけ
休みに入る前に、この3つを書き出しておくと、上の表があなたのものになります。
- 1
最後の給与の支払日
締めと支払いのルールから確定できます。入金の空白は、ここから始まります。
- 2
住民税の月額 × 休業月数
給与明細の住民税欄から計算できます。休業中に納付書で来るかもしれない額の目安です。
- 3
給付金の初回申請の予定日
これだけは自分では決められません。会社の担当窓口に「初回の申請はいつごろの予定ですか」と聞いておきます。
大きな買い物を休業の前後に考えているなら、この空白を挟んで考えてみてください。体験談には、出産前後に車を買い、入金の空白と重なって家計が苦しくなり、1年ほどで手放した記録があります。買うなという話ではありません。入金が遅い構造を知ってから決められたら、違う判断もありえた——そういう話です。
次の記事は、育休の終わり方。復職のときの手続きと、そのあとに待っている変化を追います。