2023年の10月から12月まで、3か月休んだ。

内訳は、10月が有給休暇、11月と12月の2か月が育児休業。当時は大手コンサルティング会社の正社員で、取ったのは父親側——つまり男性育休だ。子どもが生まれる前から休みに入った。

制度の説明はこのクラスタの他の記事に任せる。ここでは、困ったことを、困った順に書く。

伝えたのは6月。職場は、歓迎ムードではなかった

上司に伝えたのは2023年の6月ごろ。11月開始の育休に対して、5か月前だ。法律の締切(1か月前)よりずっと早く動いたが、それでも会社の反応は、正直に言えば戸惑っている感じだった。

意外なところで困ったのは、挨拶だ。

リモート中心の職場だったから、「出社すれば会える」が成立しない。休みに入る前に、世話になった人たちへ区切りの挨拶をしたかったのに、その機会をつくること自体がむずかしかった。これは事前にまったく想像していなかった種類の困りごとで、いまなら分かる。オンラインの職場では、休業前の挨拶は「自然に発生するもの」ではなく、予定として先に組んでおくものだ。

給付金は、最後まで額が読めなかった

いちばん困ったのはお金だ。それも、額そのものより、先が読めないことだった。

育児休業給付金がいくらになるのか、はっきり分からないまま休みに入った。結果は、思ったより少なかった。あとから制度を調べて合点がいったのだが、給付金の基準は手取りではなく休業開始時賃金日額で、上限もある。「67%」という数字だけを聞いて手取りの67%を思い浮かべていると、そこからずれる。

そして、入金が来ない。

記憶では、初回の振込は育休が明けたころだった。2か月の育休のあいだ、給付金は一円も入ってこなかったことになる。これも後から知ったが、初回の申請期限は開始から4か月後の月末までとされていて、申請が後ろになるのは制度上ふつうにありうる動きだ。当時はそれを知らず、ただ「振り込まれないな」と思いながら過ごしていた。

休んでいる最中に、住民税10数万円

収入が止まっているさなかに、住民税の納付書が届いた。10数万円。

いま思えば当然で、住民税は前年の所得に対する税金だから、働いていた2022年ぶんの税額は、育休とは関係なく請求される。給与天引きが止まったぶんが、納付書に姿を変えて届く。仕組みを知っていれば「来るもの」として構えられたはずだが、知らなかった。収入ゼロのタイミングでのまとまった請求は、かなりこたえた。

車を買って、1年で手放した

出産の前後は車があったほうがいい。そう考えて、車を買った。判断そのものは自然だったと思う。ただ、タイミングが悪かった。

  • 育休中、給付金の入金はまだ先
  • 住民税の請求は来る
  • 復帰後に転職したのだが、転職先の給与が後払いのサイクルで、無給に近い期間がさらに延びた

入金の空白がこれだけ重なると、車の維持費と支払いが重くのしかかる。結局、1年ほどで売った。

車を買ったこと自体を悔やんでいるというより、「入ってくるお金がいつ入るか」を知らないまま、大きな買い物を決めたことが失敗だったと思っている。支払いと入金のタイミングと額が最初から一覧で見えていたら、買う時期をずらしたか、そもそも別の判断をしただろう。入金と支払いのタイミングの記事は、当時の自分に渡したかった1枚をそのまま作ったものだ。

復帰後は、書類の山だった

育休そのものは予定どおりに終わった。延長もなく、期間の手続きで揉めることもなかった。

大変だったのは、そのあとだ。復帰後ほどなく転職したので、育休関係の締め、退職の手続き、新しい会社の手続きが同じ時期に重なった。書類の量は想像を超える。子育ての側でも、ベビーシッターなどの支援サービスを調べると利用料は高く、チケットを使ってもなお負担感があり、そもそも知らない人に子どもを預けることへの不安もある。お金と手続きの負荷は、育休が終わってからも続く——それが正直な実感だ。

この体験から、記事にしたこと

困ったことと、当時知らなかった仕組み
  • 給付金がいくらか読めなかった

    基準は賃金日額・上限あり・181日目から50%

    記事「育児休業給付金」

  • 振込が育休明け頃までなかった

    初回申請期限は開始から4か月経過月の末日

    記事「入金と支払いのタイミング」

  • 休み中に住民税10数万円の請求

    住民税は前年所得への課税で止まらない

    記事「保険料の免除と住民税」

  • 車を買って1年で手放した

    入金の空白を知ってから大きな買い物を決める

    記事「入金と支払いのタイミング」

左は実体験、右はこのクラスタの各記事で一次ソースを確認して書いた内容です。

これはひとりの記録で、あなたの職場や家計にそのまま当てはまるわけではない。ただ、振り返ると、困りごとの正体はほとんどすべて「タイミングを知らなかったこと」だった。休みに入る前に制度の記事を読めるようにしておくこと。それが、このサイトを作った理由だ。